[2002.08.03]
  使えない音楽と人たち


 ▼プレスプレイ、無制限ダウンロードを提供(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2002/Item/020802-1.html


 使われない音楽とは,つまり魅力がないものだ。使えない音楽を売ると云うことは,魅力のないものを売っていると云うことだ。

 大手レコード会社が出資しているオンライン音楽配信サービス,プレスプレイが年額179.40ドルでの楽曲の無制限ダウンロードというサービスを提供する計画だ。だがこの計画では一部レコード会社の曲が利用できなくなる可能性がある。5大レコード会社すべての楽曲を利用できるストリーミングサービスにはラプソディがある。

 ラプソディはいいサービスだ。とんでもない量の曲に自由にストリーミングでアクセスできる。膨大な楽曲がいつもネット上にあって,いつでもどれにでもアクセスできる。だが私たちには,曲をCDに焼いて持ち運んで車の中で聞いたり,iPodに入れて街中で聞いたりしたいという欲求もある。レコードをカセットテープに録音してウォークマンで聞いて…ということをしたことがないという人はいない。レコード会社にいま勤めている人で,それをしたことがない人がいる?

 楽曲は,そもそも利用するためにある。その使うことには,コピーももちろん含まれる。コピーできない,使うことのできない楽曲になど金を払う価値はもともとない。コピープロテクトCDも同様である。あれは売り物として欠陥品である。さらに云えば,クリックひとつで手に入るもの(それがWinMXでも,レコード会社の提供するサービスでも)をわざわざCD屋に行って買う人などいなくなる。いやすでにかなり減っているはず。なのに,いつまでもオンラインでの効果的な楽曲の提供をしようとせず,使えない曲を売ることに専念している日本のレコード会社はおめでたすぎる。一言で云えば,かなりの能無しだ。


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